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- Paper Knife Sofa / Kai Kristiansen
逸品に触れ、見て、育つ。

大人になって思うことは、子供の頃にもっと良いものに触れる機会があったなら
今の考え方や、感じ方が少し違ったのではないかということ。
子供はまだ走り回るし、こぼしたり、汚すし。
そんな心配はあるけれど、
幼い頃から本当に良いものに触れることが、きっと将来の大きな財産になります。
自分の子供たちには、そんな経験を積ませてあげたい。


1956年、Kai Kristiansenデザインによるペーパーナイフソファ。
今なお色褪せることないデザインはもちろん、
人間工学に基づく座り心地の良さは、思わずほっと溜息が漏れる。
その座り心地を実現しているのは、座面下のワイヤースプリング。
腰を下ろした時に、骨盤、身体のラインを包むようにしずみこむ。
長時間座っていても疲れにくい秘密。
よくあるウェービングテープや、Sバネとは明らかに違う。
一切の無駄を省いたフレームは強度を保ちながら、軽量化にも成功しており、移動も容易です。
それって実際に使ってみてはじめて気づくこと。
一緒に座りながら、椅子の歴史や良さについて、子供に伝える。
ペーパーナイフソファは、それにふさわしいソファなんです。


【Paper Knife Series ラインアップ】
デンマークの名作を復刻。
きっかけは、デンマークから輸入したうちの1脚
美しいアームを持つソファでした。
目にした瞬間、製造されなくなって久しいこのソファを
私たちは再び復刻したいと考えました。

そして、このソファが「Kai Kristiansen(カイ・クリスチャンセン)」というデザイナーの作品ではないかという情報を手に入れ、私たちはデンマークの彼のもとへ向かったのです。
緊張した私たちを迎えてくれたのは、カイ・クリスチャンセン氏の暖かい笑顔でした。
それは今でも忘れがたい、印象深い瞬間です。
彼はこのように語ってくれました。
“このソファは、自分でもとても気に入っているデザインです。
そのデザインが、遠い日本で、プールアニックで復刻される…。
自分はとても幸福だと思います。
あなたたちの親切に感謝しています。そしてまたお会いしたい。”
カイ・クリスチャンセン氏との交流が始まり、私たちが復刻を熱望したこのソファは
2004年秋、約50年の時を経て、「Paper Knife Sofa(ペーパーナイフソファ)」として日本で復刻を果たしました。
こうしてカイ・クリスチャンセン氏と私たちの交流が始まり、そしてプールアニックのために新たに「ペーパーナイフローテーブル」をデザインして頂けるという幸福にも恵まれました。
復刻から20年におよび、ペーパーナイフソファは、日本の宮崎椅子製作所の優秀な職人の手により、作り続けられています。

Kai Kristiansen(カイ・クリスチャンセン) 1929〜
ハンスウェグナーやボーエモーエンセンと同様、コーア・クリントのデザイン思想「古代は現代よりモダンである」―過去のものから良いところを取り入れ、さらに人間工学を考慮したデザイン??? その思想を担った世代のデンマークのデザイナー。
90歳にさしかかりながらも、その目はエネルギーに満ち今も新商品の開発に携わっています。

2007年の夏には、これもまた名作と呼ぶにふさわしいカイ・クリスチャンセン氏のNo.42チェアを、復刻版として新たに発売を開始しました。
さらに2008年には、このチェアにぴったりのダイニングテーブルの復刻を計画し、ユニバースダイニングテーブルが誕生しました。
出世すること、名声を得ることに執着を持たなかった質実なデザイナーの作品は、なぜか私たちの心に暖かいものを感じさせます。
時代や国を超えて生き続け、愛され続けるデザイン。
その中にある、かたちには見えない大事なもの。
そんなものをお届けできるインテリアショプでありたい、とプールアニックは思っています。
カイ・クリスチャンセン氏とプールアニックとの交流は、本当に良いものを世に送り出したいという共通の思いを胸に、あの出会いの日から今日に至るまで、変わりなく続いています。
「もの」の中に秘められた、目には見えない思いや暖かさ、出会いと交流が生んだ物語。
今回の記事が、そういったものにほんの少し耳を澄ましながら、共に暮らしていく家具たちを見ていただける機会となれば幸いです。